たった2.5km延伸するだけで、想像以上の可能性が期待されています。北大阪急行電鉄(大阪府豊中市)と大阪メトロ(大阪市)は23日、北大阪急行線の箕面萱野(大阪府箕面市)と千里中央(大阪府豊中市)間の約2.5kmの区間を延伸開業しました。延伸区間は、国道423号線(新御堂筋)沿いを、千里丘陵を山越えするように走る区間で、地形の起伏が大きいうえ、自動車の交通量が多いという地域特性上、8年の歳月を要する難工事の末開通しました。大阪大学箕面キャンパスや箕面船場の繊維流通団地にほど近い中間駅の箕面船場阪大前駅も新設されました。終点の箕面萱野駅は、箕面市の新都心として注目されている地域「萱野中央」地域にあり、大阪府三島地域とを結ぶ主要道路である国道171号線を北に跨いだすぐ先にあり、箕面森町(しんまち)や豊能町、新名神高速道路箕面とどろみインターチェンジへのアクセストンネルである箕面トンネルの南側手前に位置します。この延伸開業により、これまでは千里中央か阪急箕面駅までのバス移動を余儀なくされていた箕面市南東部から大阪市内都心部へのアクセスが、箕面萱野駅からの乗換なしで可能となり、わずか20〜30分程度で結ばれるようになりました。また、大阪市内のみならず、大阪メトロ御堂筋線で直通している堺市をはじめとする大阪南部の泉州地域と大阪北部の豊能地域との間の人流の増加による交流促進の効果も期待されます。
千里中央は途中駅化で衰退の懸念も
この延伸開業により、途中駅となる豊中市の千里中央駅の周辺地域では、よりいっそうの衰退を懸念する声も聞かれます。1970年の大阪万博の開催が起爆剤となるかたちで、近代的な団地街として急速に発展した千里中央地域は、半世紀が経過した今日では、駅前の複合商業施設セルシーの大規模閉鎖による急速な衰退が深刻な問題となっているうえ、団地の老朽化や高齢化も重なり、よりいっそうの衰退も懸念されています。途中駅化は否めませんが、あらゆる世代の人が、途中駅にもあえて停車したいと思えるような魅力的なしかけづくりが、千里中央地域の持続可能なまちづくりの今後の課題となります。
能勢・豊能への新しい行き方が追加
意外と知られていませんが、この延伸開業により、大阪市内や大阪南部の泉州地域などからの能勢・豊能地域への行き方が増えることにもなりました。これまでは、市街部の渋滞が多いことや距離の遠さから、大阪市以南の地域からは心理的距離が遠い印象だった、大阪府最北の能勢・豊能ですが、新しい行き方が加わることで、より親近感が高まることが期待されます。
その新しい行き方は、大阪メトロ御堂筋線で終点の箕面萱野まで行き、そこから先はレンタカーで箕面トンネルを突っ切るという行き方です。箕面萱野駅前には、レンタカー店やカーシェアがありますので、そこで車に乗り換えます。箕面萱野から豊能町へは、北へ約10〜20km、30分足らずの近さです。さらにその先の能勢町も、1時間もかからずに行けます。しかも、鉄道利用で自動車での移動距離が短縮できることから、お手軽で環境にもやさしい移動方法としても注目されています。
箕面萱野延伸開業で、大阪市以南にお住まいの方にもより身近になった能勢。能勢・ぎんぶなのうえんも、より身近になりました。会員・予約制の教育農園ですので、思う存分楽しめます。ぜひ、銀鮒の里アカウントでログインし、事前にコメント参加をしてわくわく感を高めてご来園ください。
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