スマホでオーダーを受け、自転車やスクーターで飲食店の料理を宅配するウーバーイーツ(Uber Eats)。よく世の中では、ウーバーイーツは自営業者だと認識されていますが、そうではないということを、東京都の労働委員会は認めました。
自営業者や企業経営者(社長)は、雇用関係が存在しないため、事故やトラブルがあっても、原則として自己責任で処理をしなければなりません。労働者ではないので、労働組合の対象外とされます。これは、営利企業が、労働組合による団体交渉の義務を逃れるという手口にも使われ、問題となっています。ウーバーイーツも、その悪用事例の一つとして、問題視されていました。
そこで、東京都労働委員会は、「配達員は常にウーバーイーツの指揮監督下に置かれており、配達員の裁量は極めて少ない状態で、労働者に他ならない」として、配達員を労働者であると認定しました。ウーバーイーツを運営するウーバー・テクノロジーズの日本法人(以下、ウーバーイーツ)は、ウーバーイーツの配達員によって構成される労働組合「ウーバーイーツユニオン」から事故の際の補償について、団体交渉の申し入れをされていましたが、これを拒否。同ユニオンは、このような、企業として不誠実な対応を不服として、東京都労働委員会に救済の申し立てをしていました。同委はこの申し立てを受理、ウーバーイーツに対して、団体交渉の申し入れに応じるよう、命令しました。この命令は、事実上のウーバーイーツのブラック企業公認とみられます。
あの迷惑行為の原因にも?
ウーバーイーツをめぐっては、自転車等の乱暴な運転やながら運転などの脱法迷惑行為も各地で問題となっており、大阪の記者も何度も目の当たりにしては、警察に通報するということを繰り返してきました。このよう脱法迷惑行為も、「みなし自営業者」として、各配達者に厳しいノルマを煽り、我の仕事のことしか考えない「仕事中毒」状態に陥れているのではないかという、結果的にブラック労働を押し付ける仕組みが、ウーバーイーツ特有のずる賢さによって構築されているためではないかという疑惑がもたれています。ウーバーイーツを利用しようと思ったり、ウーバーイーツの仕事を始めようと思ったときも、いずれの立場にも注意が求められています。
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