大阪府箕面市もヤマザキパンと「コラボ」発表、千葉労災死から3日後の発売前日「ヤマザキパンの『ある作戦』か」「徹底した他人事対応」

ヤマザキパン問題

地方自治体のモラルハザードが拡大しています。大阪府箕面市も29日付で、ヤマザキパンとのコラボを発表していたことが、FMGの調べでわかりました。

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この問題に関してFMGは、箕面市地域創造部 鉄道延伸室に直撃ヒアリングを実施、とても地方公共団体の公僕とは思えない、他責思考の驚愕の回答の連続に唖然とさせられました。(Q. FMG記者 A. 箕面市地域創造部 鉄道延伸室)

Q. 報道発表の時点で、ヤマザキパン千葉工場での労災死亡事故の事実を、箕面市として認識していたか?

A. 新聞報道で知っていました。

Q. ということは、ヤマザキパンが死亡事故を起こしていたことを知りながら、コラボプロジェクトを取り下げることなく、市の判断で強行突破したということですね?

A. 死亡事故は全く関係ないではないですか。箕面市はヤマザキパンとのコラボを決定し、そのことを発表したまでのことです。ヤマザキパンがランチパックをつくって販売するだけのことで、箕面市の何が問題だというのですか?

Q. ちょっと待ってください!箕面市はコラボ(レーション)の意味を理解されていますか?コラボレーションとは、(この場合、箕面市とヤマザキパンとの)双方が対等な立場で取り組むプロジェクトのことです。箕面市の説明では、箕面市がヤマザキパンにゆずる君のランチパックを(延伸開業キャンペーンで)つくることを業務委託しているだけであって、頼む頼まれるの主従関係が生じます。このような主従関係があるようなことは、(箕面市発注の)業務委託であって、コラボとはいいません。いずれにせよ、「コラボ」相手のヤマザキパンが労災死亡事故を起こしたことを把握していながら、コラボプロジェクトに踏み切るとは、公共団体箕面市としての道義的責任が問われるのではないでしょうか。これについてお答えいただけますか?

A. 箕面市では、ヤマザキパン千葉工場で起きた労災死亡事故については、知りません。労災死亡事故はヤマザキパン側の問題であり、箕面市が責任を負う理由はありません。箕面市は、ヤマザキパンとコラボをして、ゆずるくんのランチパックを販売するキャンペーンをしているまでです。

自ら痛み苦しみを経験しなければ、他人の痛み苦しみも理解できないと、よくいいます。この箕面市地域創造部 鉄道延伸室の対応も、ヤマザキパンの労災死亡事故の問題についても、悪い意味で「超安定」の地方公務員にありがちの、他者共感力がきわめて低く、他者の痛み苦しみに寄り添えない、全くの他人事といわんばかりの対応でした。

発売日直前の報道発表の意味

プレスリリースは、発売開始の遅くとも2週間前くらいのタイミングで発表するのが常識的な対応ですが、発売日直前のプレスリリースというのは、あまりにも非常識な対応といえます。なぜこのような非常識なタイミングになったのでしょうか。箕面市地域創造部 鉄道延伸室は、FMGの質問に対して、「ヤマザキパンの意向により決定した」と答えました。答えになっていませんでしたので、なぜそのような非常識なタイミングになったのか、箕面市側はどのように考えているのかと質問し直しても、「わからない」と答えたのでした。

実はこのドタンバリリース作戦は、「諦めさせ作戦」という、ヤマザキパンならではの作戦と考えられます。プレスリリースを出してすぐに販売を開始すれば、反対運動をしようとしても、そのときには、すでに発売を開始しているため、「いまさら反対運動をしても仕方がない」と諦めさせることができるというマーケティング作戦です。まさに、悪い意味で大人しすぎる日本人の弱みに漬け込んだ狡い作戦といえます。もちろんFMGは、タイミングに関係なく、反対運動を諦めることはありません。販売を開始してしまったとしても、直ちにキャンペーンを取りやめるよう、箕面市に厳重抗議下というのは、いうまでもありません。

食育関連部署には諮ったのか、市の内部連携にも問題が

ヤマザキランチパックは、マクドナルドと肩を並べるくらいに食育上の問題があり、こどもに絶対に食べさせるべきではないジャンクフードのひとつであることは、誰しも知るとおりです。箕面市には、教育委員会内に、「みどりまちづくり部箕面産と食の推進室」という、食育専門の部署があります。そこでFMGは、みどりまちづくり部箕面産と食の推進室から、今回のヤマザキパンとのコラボプロジェクトに関して、地域創造部 鉄道延伸室との協議の機会を設定を提案されたかどうかについて質問したところ、「地域創造部 鉄道延伸室からは、何も連絡を受けていない」と答えたのでした。つまり、地域創造部 鉄道延伸室は、食育関連部署に何も相談をすることなく独断で決定したものとみられます。これは、市の内部連携が機能していないことの現れであり、市の業務としては重大な問題を含んでいるといえます。FMGは、今後このようなことが起こることがないよう、みどりまちづくり部箕面産と食の推進室にも、内部連携の強化を提言しました。

営利企業コラボは「合法談合」?不祥事トリガーとして警戒

地方公共団体発注の工事や備品購入をめぐり、特定の企業に対して独占的に利益を誘導するような行為は、談合などとして、厳しく処罰されます。しかし、ヤマザキパンという特定の大企業にほぼ確実に利益誘導がなされることがわかっていながら、「コラボ」や「市のPR」などと称して、市の職員の間での知名度が圧倒的という安易な理由だけで、ヤマザキパンという全くのよそ者の巨大企業に対して、独占的な商機を不当に与える行為は、道徳上は談合と同等以上の悪質性があるにもかかわらず、現行の法律では、何らお咎めなしです。このような、公共のねじれ問題が新たな公共問題として指摘されます。近年、地域に根ざした中小のパン屋の廃業が相次ぎ、市街地中心部の衰退が深刻な問題となっていますが、このような地方自治体の配慮に欠いた政策の根底に巣食う思い込み・官民癒着体質は、中小事業者の活力低下を招き、その自治体の衰退を招きかねません。その悪質性から、新たな不祥事を生む引き金(トリガー)になるおそれもあります。とくに箕面市は、ランチパックの問題からわかるように、北大阪急行線延伸乗り入れを目前に調子に乗りすぎであり、市民の監視の目を緩める隙きがない状況です。公正公平を保障することは、地方公共団体に課せられた最大の責務です。その最大の責務を蔑ろにする行為は断じて許せません。

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