地デジサブチャンの本領発揮せず、緊急地震速報でのど自慢中止のNHK

NHK問題

11日午後0時15分から、NHK総合などで放送されていた、島根県松江市からのNHKのど自慢の生放送が、同30分過ぎに発報された石川県能登地方の余震の緊急地震速報で急遽中断、その後も再開することなく中止していたことがわかりました。今から13年前に地上デジタル放送に完全移行し、地上デジタル放送の利点でもあるサブチャンネル(以下、サブチャン)は、番組の延長や非常時の緊急対応などで、緊急放送などと並行放送を行うことで、その本領を発揮するものとして期待されています。しかし、今回の島根県松江市でののど自慢では、その本領を発揮できておらず、NHKの放送の有事対応のあり方や公共放送としての公共性、放送技術のあり方が問われる事態となっています。また、総合メインチャンネルは、地震に関する緊急ニュースで占有される一方で、Eテレでは、何事もなかったかのように、「囲碁トーナメント」を継続していたこともわかっています。このEG間のあまりにも大きいギャップや対応の矛盾は何なのでしょうか。

この問題に対してNHKは、「サブチャンは、想定されるスポーツ中継の延長時などに対応するためのものであり、今回のような(災害有事の)ときに使うことは想定していなかった」と認めたうえで、「サブチャンの緊急利用は、現行の放送技術上、放送事故のおそれがあり、安易に使えるものではない」と、苦しい言い訳をしました。NHKのど自慢は、NHK地方局と各地方自治体との共催で行われており、公共放送ということもあり、開催自治体には、相当の経費支出を伴っているものとみられます。そのようなことを考えると、島根県松江市は、長きにわたり「のど自慢」の実現で期待させられてきた挙句、NHKに突然、放送技術上や有事想定上の瑕疵によって生放送を中断された被害者であるともいえ、今後、災害など有事の際の公共放送のあり方が問われることになりそうです。

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