許さない!大麻関連薬物:緊急で化学構造論的包括指定・禁止を

イベント会場でばらまかれた大麻関連薬物グミが原因で発生した薬物中毒・体調不良問題。問題となった大麻由来薬物グミは、大阪市に本社があるWWEの自社工場で製造販売されていたもので、問題の成分を含む商品は、大阪市内などに店舗がある大麻関連商品専門店「CANNABIS CULTURE JAPAN(CCJ;以下、CCJ)」などで販売の実態があることがわかりました。問題の成分は、大麻由来の有害物質で、大麻取締法の規制対象物質に指定されているテトラヒドロカンナビノール(THC)の分子構造を模倣することで法規制を逃れたとみられる「グレーゾーン合成大麻」、ヘキサヒドロカンナビヘキソール(HHCH)です。FMGがインターネット上に存在する大麻関連情報について調査したところ、HHCHは今年になってから、大麻ドーピング信奉者の間で注目され始めた、現行では合法的に使用できる大麻様薬物ということです。読売新聞などの取材を受けた大麻関連薬物グミの製造販売元WWEの社長は、「合法的に製造・販売をしており、(我社には)問題はない。中毒が起こった原因は(客側の)過度な摂取だから、用法・用量を守ることが大切だ」という旨の強気の自論を述べたということです。

厚生労働省で禁止化が検討されているヘキサヒドロカンナビヘキソール(HHCH)の構造式
大麻由来の違法薬物テトラヒドロカンナビノール(THC)の構造式
HHCHと比べて、二重結合が1つだけ多い点、側鎖のアルキル基の炭素数が1だけ少ない点に注目
合法大麻カンナビジオール(CBD)の構造式
合法であっても、THC(違法)の開環型に相当する程度の違いしかない点に注目
昨年に違法薬物になったヘキサヒドロカンナビノール(HHC)の構造式
今回問題になったHHCHと比較すると、側鎖アルキル基の炭素数が1原子少ないだけ。
HHCとの構造式比較でHHCHの脱法の意図はより鮮明になる。

実際に中毒事故が発生したことから、緊急で規制せずにはいられなくなった厚生労働省厚生局麻薬取締部は、アメリカ村三角公園近くにある店舗など、大阪市内のCCJの実店舗に立ち入り調査をしたうえで、HHCHを含むグミに関して、薬機法に基づく、健康に有害を及ぼす物質に関する検査の結果が出るまでの期間内における暫定的な販売禁止命令を発出しました。現状ではHHCHは大麻取締法など薬物関連法規での規制対象にはなっていませんが、現状では役所の論理では動きようがないような状況にあって、販売禁止命令の発出に踏み切ったのは、異例の対応といえます。大麻様薬物の問題は、分子構造が類似した合成薬物を開発しては法規制を逃れるといったいたちごっこが続いており、このような、現行の法制度では対応の限界を超越するような特殊な問題背景があるなかで、国民の健康被害をこれ以上増やさないことを最優先したことによる緊急対応とみられます。

食品衛生法違反・薬機法違反の疑いも

そもそも論として、グミという食品に、食品成分や食品添加物として認可された物質以外のもの(化学物質等)を意図的に使用することは、食品衛生法違反にも問える可能性がありますし、WWE社長の発言に「効能・効果」という表現があることからも察せられるとおり、医薬品としての効能・効果を謳っている(嫌疑がある)と認められれば、薬機法違反に問える可能性は十分にあるはずです。いずれも厚生労働省が所管する法律ですから、厚生労働省や地方保健所、警察の権限だけでも取り締まりはできていたはずです。とりあえずは、現行法での違反容疑を立件して逮捕し、その後、大麻・薬物関連の法制度を改正してから、状況に応じて再逮捕、という方法もとれたはずです。前のWWEの社長の強気発言も、厚生労働省特有の役人気質の弱みに漬け込んだ発言ではないかと考えると、厚生労働省側のいたちごっこの実態に対応できていなかった、これまでの薬物規制行政の対応の甘さと、今回の事故・事件にかかる初動対応のまずさが悔やまれます。

速やかに大麻関連物質(カンナビノイド)の化学構造論的包括指定を

化学物質規制一般にいえることですが、従来の個別指定の場合、類縁物質で規制逃れができるため、いたちごっこになるという問題が指摘されてきました。今回の事件でも、THCと分子構造が非常に酷似しており、毒性も非常に酷似しているHHCHが中毒の原因物質になったことから、薬物規制の個別指定の脆弱性を露呈することとなりました。そこで威力を発揮する考え方が、化学構造論的包括指定という考え方です。これは、特定の母核と、特定の位置にある特定の構造の置換基との組み合わせを論理的に分類する考え方を定義し、その論理的分類の考え方に合致する化学物質を包括的に規制対象とするという考え方です。具体的には、今回のカンナビノイドの場合、現時点で存在していない物質も含めて、THCやHHCHとの分子構造相同性が高い物質すべてが規制対象となるように設定することになります。このようにすることで、化学の素人はもちろんのこと、化学に精通した人であっても、大麻関連物質での規制逃れをすることが論理的に非常に困難(実質的には不可能)になり、今回のHHCHのような類縁物質開発による規制逃れの問題を未然に防止することができるというわけです。これまでFMGは、化学物質管理に関係する省庁に、化学構造論的包括指定の考え方を政策提言してきましたが、厚生労働省は、今回の事件でその重要性に気づかずにはいられないことになったわけです。厚生労働省は、今後、大麻・麻薬・覚醒剤問題に関して、具体的に宣言したこともあって、化学構造論的包括指定に本腰を入れるようになるとみられますが、FMGでは、厚生労働省の方針宣言が口先だけのものになることのないよう、今後の厚生労働省の動向を注視していくことにしていきます。

一滴・一欠片は当然、大麻肯定だけでも一発アウト!銀鮒の里アカウント審査

化学系市民アカデミアを根拠とする銀鮒の里アカウントのメンバーシップ審査では、合法・違法を問わず、大麻由来物を意識的に摂取・使用したりすることはもちろんのこと、大麻に対して肯定的な考え方を持っていることが発覚した時点で一発アウトとなります。近年では、市民運動に関心を持つとみられる層でも、大麻汚染は決して他人事とはいえないくらいに進行しているとみられており、銀鮒の里アカウント監理事務局では、危機感をもっています。例えば、「合法の大麻タバコを吸う」行為はいうに及ばず、「CBD配合のドリンクやキャンディを摂取する」「ヘンプシードやヘンプシードオイルを食品として使用する」でも欠格事項に該当します。さらに、その事実を隠蔽して虚偽申告を行うことは、偽計業務妨害などの犯罪となります。「つい興味本位だけで」のつもりの大麻肯定だけで、あなたの銀鮒の里人生は一発で壊滅します。低俗な勧誘等にはくれぐれもご注意ください。

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