山形県は8日午前、同県鶴岡市のバタリーケージ採卵養鶏場でH5亜型の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生が確認されたと発表しました。7日午前9時40分、このバタリーケージ採卵養鶏場からこの地域を管轄する庄内総合支庁家畜保健衛生課に、家禽の異常を疑う通報があり、同日、同課による簡易検査を行ったところ、検査した7羽すべてについて、A型インフルエンザの陽性が確認されました。さらにこの検体について、村山総合支庁家畜保健衛生課で遺伝子検査を行ったところ、H5亜型の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルスが確認されたということです。これを受けて山形県では、8日、このバタリーケージ採卵養鶏場とその疫学関連農場の採卵鶏の全数にあたる約6万7,000羽の殺処分を行うことを決定しました。
少ない情報で安心はムリ!国や自治体の杜撰なリスクコミュニケーションにご注意
山形県は、鶏の卵や肉を食べたことで、人がAIに感染したという事例は、世界的にも報告されていないことを強調していますが、FMGでは、たとえ国や自治体の情報であっても、少ない情報で冷静な行動を促すことには無理があるとして、注意を促しています。とくに海外では、鶏の卵や肉を生食する文化そのものがなく、これらを生食するのは、日本特有の文化であることにも注意が必要です。(一般的にいえることとして、海外での食べ方のように十分に加熱すれば、ほとんどのウイルスは失活しますので、感染の可能性はほぼゼロになります。しかし、(濃厚接触のひとつにあたる)生食であれば、ウイルスフリーであることが保証されないかぎり、感染の可能性を完全に否定することはできません。)今年1月に、カナダでAIに感染したことによる人の死亡例があることは、FMGで報道したとおりであり(FMGサイト内記事検索で参照)、加えて、市場に流通する鶏卵や鶏肉の多くは、過密飼育のために、死亡鶏の有無を確認する程度の杜撰な飼養管理が常態化している現状があること、過密飼育のストレスで免疫力が低下し、AIへの日和見感染がきわめて起こりやすい(いつどこでAIが見えるかたちで起こってもおかしくない)状況下にあること、AIに感染しても無症状の場合があり、その場合は異常に気づくことすらできないこと、AIウイルス検査が行われていないかぎり、ウイルスフリーを科学的に保証することは誰にもできないことを知ったうえで、一人ひとりが考え、食べるかどうかの最終判断をすることが大切であることを呼びかけています。
山形県による公式情報
https://www.pref.yamagata.jp/documents/31308/1208_torihurukakunin.pdf
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