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茨城県の大井川和彦知事は4日、同県庁を訪問した農林水産省の藤木真也政務官と面会した際に、「(100万羽超の激甚災害級の規模で)殺処分を行う自治体の負担は深刻だ。大規模養鶏事業者(メガロポートリー)に応分の負担を求める仕組みを考えてほしい」と、農林水産省に対して要請をしたと、朝日新聞が報じた。
この茨城県知事の本音要請が真実であれば、昨今の飼料高騰や一向に変わらない「卵は物価の優等生」といった日本特有の歪んだ価値観、さらには昨今のSDGsの一つの価値観変容としての世界的なエッグスマート(鶏卵離れ)の動きなどの板挟みで経営難に追い込まれているうえにAIの脅威で「泣きっ面に蜂」の養鶏業界、ことに巨大なバタリーケージ施設を保有・運営するケージ卵(準)大手でHPAI感染が発生した場合、会社そのものが倒産するくらいの致命的な打撃が及ぶこととなり、工業的養鶏の社会アポトーシスは不可避ではないかと、FMGでは分析している。実際に、この3月(昨季末)には、ケージ採卵養鶏最大手のイセ食品(東京都千代田区)が倒産しており、経営再建はよりいっそう険しさを増すとみられる。現在、採卵養鶏シェア首位の茨城県内には、飼養羽数100万羽超のメガロポートリーは3箇所あり、この中には、イセ食品のグループ企業によるものが含まれているとみられている。
工業的畜産を追放できるかどうかは、消費者の意識次第
「いらないものは自然淘汰される。」これは、市場社会の基本原理だ。今でこそ、10個200円するかしないかの「物価の優等生」としてのケージ卵の需要は止まらない現状だが、今や世界はSDGs時代。環境負荷の削減や倫理(エシカル)意識の向上といった劇的な変容を遂げていく社会にあって、この状況は、今後そう長くは続かないと、FMGでは確信している。鶏卵を全く食べない生活は、だれもが予想する以上に簡単にできる市民アクションだ。例えば、生卵を生地に混ぜ込んで加熱するお好み焼きのような料理では、卵はつなぎの役割を期待するために使用されるが、つなぎの役割であれば、じゃがいものすりおろしを卵の代わりに使用したほうが、鶏卵よりも優れた物理化学的特性(テクスチャ)が得られることを、ふなあんSEPCでも確認している。工業的畜産をなくすことができれば、殺処分で自治体職員が殺伐とした現場に駆り出されるようなことはなくなり、現実に10年前からバタリーケージを禁止しているEUでは、養鶏場の小規模分散化が必然的に進んだため、鳥インフルエンザ有事の際にも、日本のように激甚災害化することはなくなり、冷静に対応できるようになっている。そのうえで、EUではヴィーガンやベジタリアンの人口が増加傾向にあり、鶏卵の潜在需要は減少の傾向にある。今や日本は、ケージ卵最大手が倒産し、ナンバー2は大臣に賄賂を贈って生き残ろうとするような工業的養鶏終末期。誰もがスマートフォンを持っていることが当たり前の現在を、四半世紀前の時点は誰も予測できなかったように、日本でも、この勢いにうまく乗ることができ、消費者の倫理観が高まれば、工業的畜産、とくにバタリーケージの卵が市場から消える時代も、消費者意識次第では、そう遠くはない未来に現実にできる空前のチャンスが、現在、到来している。
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