前評判最悪の新番組「ゲームゲノム」の放映が強行、放送法グレーゾーンに迫る
日本放送協会(NHK;東京都渋谷区)は5日23時、10月からの新番組として、自称「ゲーム教養番組」、「ゲームゲノム」の放映を強行した。FMGでは、放映時間から察して、中学生から一般成人に及ぼす教育上の悪影響が前例がないほどに甚大だとして、NHKによる「ゲームゲノム」の新番組予告を認知してすぐに抗議、放送の取りやめと、9月に終了した「笑わない数学」の後継にふさわしい自然科学(サイエンス)系教養番組への差し替えを強く要望していたが、強行されたかたちだ。ゲームゲノムは、ソニー・インタラクティブ・エンタテイメント(SIE;米国カリフォルニア州サンマテオ市※注1)やコナミ※注2(東京都新宿区)といった商業ゲーム会社のOBが出演し、実質的に商業ゲーム作品(=特定私企業の商品)を推奨するものであり、公共放送のNHKが特定私企業の商品を広告し、購入を奨励(利益誘導)することを禁じる、放送法に抵触するおそれもある。
ゲームクリエイターの自己満足をNHKが受け止める究極のマスタベ番組
5日の初回では、SIEの商業ゲーム「人喰いの大鷲トリコ」「ワンダと巨像」の2篇が取り上げられた。「人喰いの大鷲トリコ」は、感情が読みづらく、コミュニケーションに困難がある架空の動物、人食い鷲トリコが、主人公の少年が操り、トリコを相棒につけ、兵士の妨害をかわしながら冒険を進めていくという商業ゲームであり、「ワンダと巨像」は、主人公のワンダが、理不尽な攻撃を仕掛けてくる巨像によじ登り、巨像の急所である頭を武器の刀で突き、殺すという商業ゲームだ。ゲームクリエイターは、「人喰いの大鷲トリコ」では、作者自身が幼少期に多くの動物に接してきた経験をもとに開発したもので、仮想空間でのゲームプレイでトリコの習性を読み解くことを通じて、(現実世界の)生命ある動物への理解や関心を伝えていきたかったと語り、「ワンダと巨像」では、あえて敵キャラを殺すことの「罪悪感」をゲームを通じて実感できることを目指し、これまでのプレイの快楽ばかりを追求するゲームとは異なるコンセプトのゲームとして開発したと語っていた。表面的には、もっともらしく感じるような説明だが、深く考察すればするほど意味不明であり、現実体験の最大化を追求するナチュラリストの教育関係者にはまったく理解不可能の、ゲームクリエイターの自己満足だというほかない内容だった。これを高尚な「教養」だとでっち上げるNHKの番組制作の浅はかさも際立つものだった。
次回予告では、セガの商業ゲームをフィーチャーする予定だとしているが、FMGでは、今後も、ゲームゲノムやそれに類するような商業ゲームに肯定的な番組コンテンツの放送の即時差し止めを粘り強く要望していくことにしている。
※注1:米国カリフォルニア州サンマテオ市は、FMGの報道局が所在する大阪府豊中市の姉妹都市。
※注2:コナミの創業地は大阪府豊中市。
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