香川県ネット・ゲーム依存症対策条例違憲訴訟第4回口頭弁論:原告側「努力義務というより香川県民を騙す意図がある」と反論

全国の教育関係者が注目する、香川県の先進的な条例をめぐる訴訟です。昨日、高松地方裁判所で、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(通称ゲーム条例;以下、ゲーム条例)が憲法違反であるかどうかを問う訴訟の第4回口頭弁論が行われました。3ヶ月前の第3回口頭弁論では、被告側の香川県が「ゲーム条例はあくまで努力義務だ」とし、香川県民を法的に拘束することで不利益を与える意図はないことを主張していました。今回の第4回口頭弁論では、被告の香川県の主張に対して、原告側の告発当時高校3年生の男子生徒とその母親の代理人弁護士が真っ向から反論、口頭弁論後の記者会見で代理人弁護士は「香川県は県民を騙そうとしている。(香川県は)県民に『(ゲーム条例は)義務規定だ』と思わせておいて、(無理に)従わせようとしている」と述べています。さらに原告側は、被告側(香川県)のゲーム条例に積極的な県議会議員が、ゲーム条例のインパクトなどの有効性について述べたSNSでの発言を、被告側の意図を裏付ける証拠資料として、裁判所に提出していました。

香川県のゲーム条例違憲訴訟 「条例は努力目標」主張に原告側が反論 | KSBニュース | KSB瀬戸内海放送

自然豊かな香川県でこのような訴訟が起きること自体が社会病理

海も山もすぐ近くにあり、広大な讃岐平野には、鮒がたくさん生息している溜池やお寺が多くある、どこか懐かしさも感じさせる香川県は、こどもの情操や人間力を高めるには最高の環境が整った地域のひとつです。言いかえれば、香川県には、その教育行政の手腕次第では、昭和以前から代々伝わる自然・文化的財産を活かし、日本一の教育県を目指すことができるポテンシャルも秘めています。しかし、一歩間違えれば、日本が世界の発信基地になっているともいわれるゲームやVRでの画一化の波に呑まれ、日本衰退を加速させてしまうことにもなりかねません。

香川県には、文化的リスクに関する気になる兆候もあります。ハンバーガーの一人あたり消費額が全国一だというデータもあります。赤地に黄色のmマークが印象的な世界的なハンバーガー店が圧倒的なシェアを占めている現状があるだけに、気がかりな兆候です。香川県はこのまま(原告勝訴で)訴訟で敗けて、日本の他地域と同様に、画一化の一途を辿ることになるのでしょうか。銀鮒の里学校としては、香川県にはもっと強気でゲーム条例を施行してほしいところでしたが、百歩譲って努力義務という緩さを持たせても、なお一部の県民から反発が出るとは、全国的に問題となっている現実体験不足による教育の劣化がもたらした社会病理であるといえます。香川県ネット・ゲーム依存症対策条例違憲訴訟、今後の裁判の展開から目が放せません。

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