GRAIN研究グループによる新しい分析によると、ビル&メリンダゲイツ財団からの多くの免税助成金は、工業的農業に代わってロビー活動を行い、生態学的農業などの代替農法を弱体化させるグループに送られていたことが明るみになりました。 GRAINはこのように語ります。「ありとあらゆる方法によって、ゲイツ財団の助成金は、政策立案者にトップダウンの工業的農業課題を実行するように促すために使用されます。」
GRAINは、17年間で1130件の助成金と60億ドル近くのゲイツ財団の農業開発への投資を検討しました。名目上はアフリカの飢餓と戦うための助成金となっていましたが、それらのほとんどは、アフリカのグループや農民に向けてではなく、米国とヨーロッパの研究者やNGOに向けられました。「助成金」は、商業用種子と農薬の技術と市場の開発に大きく偏っていました。これらの証拠は、飢餓と栄養失調が悪化する一方で、これらの方法が飢餓を緩和したり、小規模農家を支援することができなかったことを示唆しています。
最近の学術研究によると、ガーナで化学工業的農業を拡大するための「緑の革命」の取り組みについて、「貧しい農民のニーズに対応できなかった。それは貧困を減らすことなく、むしろ、農民の投入コスト、農民の債務、そして農民間の不平等を増加させた。」と報告されています。
(米国市民メディアU.S. Right to Know記事の翻訳)
【論説】農業のIT化こそ、オープンソースとセットで
ビル&メリンダゲイツ財団は、Windowsのマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツとその元妻メリンダ・ゲイツが、マイクロソフトの収益を原資として設立した、世界最大規模といわれる財団です。この記事をお読みいただいて、ビル&メリンダゲイツ財団は、表面だけは強烈な慈善を感じさせながら、実際には、市民の多くが望まず反対する遺伝子組み換え作物や化学合成農薬を巧みに使う化学工業的農業を推進する、さながら詐欺師の偽善財団であるということを、あらためて確認していただけたかと存じます。マイクロソフトは、長年にわたり、Windows10が最後のWindowsであるとか、GitHub社の買収などでLinuxとの合流を匂わせるような、企業として挙動不審な状況が続きましたが、最近になって、Windows11と思しき次期Windowsの発表がアナウンスされるという、これまた不可解な動きが起こっています。
貧困の根絶は、SDGsの第1目標に、飢餓の根絶はSDGsの第2目標になっていますが、ゲイツ財団の詐欺的ともいえる偽善行為は、それらSDGsの取り組みを大きく後退させかねないことです。そのような行為を行うゲイツ財団を、日本国内では「慈善団体だ」と称賛する向きもあり、報道のバイアスや主体的な検証をせずに鵜呑みにするという、国際的な市民感覚の動向を読まないという「島国特有の愚かさ」には、憤りを感じずにはいられません。
人々の善意を弄ぶようなことは断じて許されません。GRAIN研究グループの関係者も、ゲイツ財団に対しては「騙された」「カネを利かせ善意を弄ばれた」と、激しい怒りの念をもったであろうことが察せられます。この問題からも、ITと農業は市民戦略上切っても切れない関係であることがおわかりいただけるかと思います。以前から「農家こそLinuxを使おう」と訴え続けているように、農業のIT化はLinuxで貫くことで、ビル・ゲイツが推進する遺伝子組み換え(農作物)やラウンドアップをはじめとする化学合成農薬に反対の意を表明していただきたいものです。Linux(オープンソース)活用宣言は、電子メールのヘッダー情報でわかるほか、文書の拡張子やメタ情報などでも確認でき、Webサイトでその旨を表示することもできます。当メディアを運営する銀鮒の里学校でも、農家のオープンソースIT化を支援できますので、ぜひご相談いただきたいと思います。
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