アフターコロナのそう遠くはない未来、それは、元気なうんちで人助けをしたり、他人の元気なうんちで助けられる時代かもしれません。
実は、そのきっかけは、ずっと以前からあるのです。最もわかりやすい例は、プロバイオティクスヨーグルトや乳酸菌飲料、整腸剤です。多くの場合、健康な人(こども)の大腸に住む善玉菌を採取・分離培養されますが、採取は新鮮なうんち(ふん便)から行われるのです。現在では、健康な人の腸内細菌叢について研究し、それに関するさまざまな「恵み」を分かち合うしくみづくりを目指すうんちベンチャーも実際に存在しているのです。
小学校や中学校が「腸内細菌(ばばっち)バンク」になる?
人のうんちならば、誰のでもよいというわけではありません。腸内細菌叢の質は、加齢によって、どうしても低下してしまううえ、生活習慣も多様で質にバラツキが出やすくなります。先ほどの日経の記事にもあるように、薬剤耐性を持った病原菌を保菌する人のうんちを誤って移植してしまった場合、生命にかかわる場合もあるのです。抗菌性の医薬品の継続的な服用歴がある人など、特定の医薬品の服用・使用歴がある人は、高齢になるほど多くなり、どのような人にうんちドナーになってもらうかは、非常に重要な課題です。
そこで注目したいのが、元気いっぱいの小学生や中学生にドナーになってもらうという可能性です。小学生(児童)や中学生は若くて腸が清浄であるうえ、食品添加物などが少なくなるように配慮された学校給食を食べる習慣があり、食生活が他の世代よりも安定しやすく、腸内細菌の質のバラツキが少なく、成長が盛んで老廃物も少ないという、ドナーとして望ましい優位性があります。このようなことを聞くと、冗談かと思うかもしれませんが、いたって真面目な話です。小学校や中学校のトイレは、ほぼすべてが、下水道や浄化槽に直結し、こどもたちの元気なうんちは「廃棄処分」されています。人助けができる可能性を秘めた元気いっぱいのうんちをそのまま捨ててしまうのは、とてももったいないことです。小学校でしっかりと便育と食育を行い、小学校や中学校のトイレを、元気なうんちを回収できる流さないトイレにすれば、それが子どもの元気な腸内細菌で人助けをするしくみづくりの安全な近道になるのです。小学校や中学校は、その取り組み次第で、腸内細菌で人助けをする拠点「ばばっちバンク」になる可能性を秘めているのです。銀鮒の里学校も、ばばっちバンクで人助けまではいかなくとも、そのような時代がそう遠くはないうちに来るかもしれないという可能性を見通して、便育と食育をしっかりと行ったうえで、元気なこどものうんちを捨てず、肥料などとして大地に還元し、真の物質循環を実現するよう大切に活かす取り組みを行う予定です。これまで、便育は自分のうんちをより健康なものにして、自分自身の健康管理に役立てようという発想でしたが、これからは、自分のうんちで人助けをしたり、逆に他人のうんちを自分の腸に取り入れて健康増進を図ったりという、人のつながりを重視した発想に進化していくのかもしれません。(例えば、高い身体能力や精神力をもったアスリートのうんちに着目し、活かしていくことを目指すベンチャーもあるほどです。)今や、新型コロナやインフルエンザなどの感染症やアレルギーのリスクと向き合っていく時代。数十年を経てもなお問題が残る、学校でうんちができない問題を放置しているような場合ではないのです。
ばばっちバンクは誰が運営するか?
ばばっちバンクの運営主体としては、非営利を前提としたうえで、腸内細菌やうんちについて正しい理解と高い公共意識、高い倫理観をもった非営利団体が想定されます。具体的には、NPO法人や非営利型の一般社団法人、公益社団法人のような公益活動団体が想定されます。小学校や中学校をばばっちバンクにする場合は、地方自治体や教育委員会、保健所などとの緊密な連携も重要になるでしょう。
こどもばばっちの可能性
あくまでも「可能性」という表現にとどめておきますが、元気なこどものうんちは、腸内細菌叢を健常化する働きに優れている可能性があることから、腸内細菌が関係したほとんどの免疫疾患や感染症、肥満や糖尿病、さらには、うつや多動などといった精神疾患の予防・改善も期待できるかもしれません。とくに、これまで完治が困難で、場合によっては一生付き合っていかなければならないと思われていた食物や化学物質、花粉などに対するアレルギー体質の根本的な改善の最有力の切り札になることが期待されます。小学生や中学生のうんちをこれほどまでに異常に「きたない」などとタブー視してきたほんとうの理由は、ほんとうに「きたないと思う」からではなく、製薬利権や医療利権にとっての史上最大の脅威になりうるからだと思います。マスメディアで「うんち」「うんこ」の表現をを禁止にするほんとうの理由もそれかもしれません。それほどまでに、健康な人、とくに人のこどものうんちは、想像を絶するほど大きな可能性を秘めているということなのです。せめて、こどもが太くて長い健康なうんちをしたら、しっかりと手にとって観察し、うんち主に「ありがとう」と言ってほめてあげるくらいはしてあげたいものです。
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