ケージ飼い雌鶏の寿命

農林水産省に、ケージ飼い雌鶏の寿命と1羽あたりの延べ床面積について聞きました。
本来、鶏の寿命は約10年です。しかし、ケージ飼いの雌鶏の寿命はたったの1年半だそうです。さらにいえば、生後1年半で産卵数が減少して、採卵鶏として役をなさないという理由だけでと殺されるのだそうです。実際には、ケージ内の過酷な環境に堪えきれずに力尽きて死亡する鶏も多いようです。

一羽あたり延べ床面積もひどい

公益社団法人畜産技術協会は、ケージ飼い雌鶏に与えられる延べ床面積は、A4サイズにも満たないくらいの面積でも、同協会が定めるアニマルウェルフェア基準に照らして十分であるとしています。一方で、EU諸国では、延べ床面積に関係なく、日本のほとんどの採卵養鶏場で採用されているバタリーケージでの飼育は、アニマルウェルフェアの観点から問題があるという理由から、9年前に禁止になりました。今回のヒアリングで、日本の農林水産省としては、実際の飼養密度等の統計データは把握していないため、飼養方法の妥当性の検証やそれに基づく指導は行っていないということも明るみになりました。日本のアニマルウェルフェア基準は、完全に生産者側の都合ばかりで、動物本来の生態が全く尊重されていない矛盾だらけであり、全く体を成していない実態が浮き彫りになりました。

ケージ飼いが鳥インフルエンザの原因と思わない思考停止

人間社会で新型コロナウイルス感染拡大防止のために、3密を避けるべきだということをよくいいます。でも、鶏は超密でも大丈夫なのでしょうか。そのようなはずはないということは、誰にでもわかるはずです。実際に、従来は鳥インフルエンザに感染するはずがないと考えられていたウインドウレス鶏舎で、大規模な鳥インフルエンザ感染事故が発生していることからもわかりますし、複数の原因が絡んだ過度のストレスで免疫力が極限まで低下している状態ですので、起こるべくして起こったといえます。農林水産省に対しては、ケージ飼いなどの過密飼育が、鳥インフルエンザ感染の最大の原因であることを説明したうえで、確認をしました。

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