以前から予想していたことだが、ついに私以外で鳥インフルエンザ(AI)変異型新型インフルエンザウイルスの警告をする記事が出た。プレジデント・オンラインの記事だ。
鳥インフルエンザ変異型新型インフルエンザウイルスは、鳥インフルエンザウイルスが人に感染し、感染した人の体内で人に対して非常に強い毒性を示すインフルエンザウイルスに変異したウイルスのことである。現在のところ、鳥インフルエンザウイルス由来の新型インフルエンザウイルスの存在は認められてはいないものの、中国では鳥インフルエンザウイルスの人への感染事例が報告され、新型インフルエンザ禍はいよいよ現実味を帯びつつある。
宿主にあわせて変幻自在
イギリスで新型コロナウイルスの変異種が生じ、世界を騒然とさせたことからもわかるように、高度な遺伝情報を持った物質の集合体であるウイルスは、宿主にあわせて、ごく短期間のあいだに、変幻自在に変異種を生じることができる。鳥インフルエンザウイルスそのものは、人への感染力は低いと考えられてはいるものの、一度人に感染すると、そのウイルスは、感染者の体内で、人に対しての感染力が高く、なおかつ、人に強い毒性を示す、いまだかつてない強い毒性を示す新型インフルエンザウイルスに変異する可能性が考えられている。その新型インフルエンザウイルスは、現在の新型コロナウイルスよりもはるかに高い致死性を有する可能性も否定できないのだ。
最悪のシナリオを予測
広島県北部の庄原市と三次市は、メガロポートリー(100万羽超級の巨大養鶏場)地帯を形成している。あの、吉川元農水大臣に、アニマルウェルフェア強化反対の賄賂を贈った疑惑で問題となっているアキタフーズの養鶏場だ。アキタフーズグループのおかげで、広島県は国内有数の鶏卵の大産地となっている。もちろん、世界で悪名高いケージ飼いだ。国内最悪の感染事故が起こった千葉県いすみ市のメガロポートリーもアキタフーズグループであり、やはりウインドウレス鶏舎でのケージ飼い環境で、鳥インフルエンザが起きたのだ。広島県の同グループの養鶏場でもほぼ同じような飼育環境であると考えられ、しかも、広島県は三原市の養鶏場で今冬に大規模な感染事故が起きていることからも、いつ感染爆発が起きてもおかしくない、予断を許さない状況となっている。
このような広島県北部のアキタフーズグループの養鶏場で、連続多発的に鳥インフルエンザ禍が発生。千葉県いすみ市の事故をはるかに超える、合計で数百万羽規模の殺処分が行われることになるが、前代未聞の超大規模災害で、自衛隊の複数の駐屯地に災害派遣を要請するも間に合わず、作業完了には1ヶ月以上を要し、これまでになく難航をきわめる。防疫作業員は激務とそれ以上に過酷な精神的ストレスで疲弊し、その隙に、鳥インフルエンザウイルスに日和見感染する。鳥インフルエンザウイルスに感染した作業員は、軽い風邪のようなほぼ無症状で、激務での疲労で紛れたこともあり、感染には気づかなかった。そうしているうちに、殺処分作業で同じ養鶏場に居合わせた数十人が40℃の発熱と激しい筋肉痛を訴え、バタバタと倒れた。大規模なクラスターが発生したのだ。救急搬送されたが、いまだかつてなかった感染症のため、救急搬送とはいっても、広島市内の大病院くらいしか受け入れができず、感染者の大部分が、搬送中に急性症状によるショックで死亡した。その後も、殺処分作業員の感染に歯止めがかからず、死者が次々と出た。人の感染拡大で、さすがに殺処分防疫作業を継続することは不可能な状態となり、殺処分予定のケージの鶏にも感染が次々と拡大し、誰一人として手のつけようがない状態となった。フクイチの爆発事故のときのように、当分の間、近づくことすら許されない状況となり、感染した鶏がすべて死に絶え、ミイラ化してウイルスが失活するのを待つしかない状況となった。
そして、ついに恐れていたことが起きた。養鶏場の周辺や広島市内からまたたく間に広島県全体、中国地方全体、日本全土へと感染が拡大し、新型コロナウイルス禍の比にならないほどの死者が出た。
これが、広島県のアキタフーズグループのメガロポートリー群で起きた場合を想定した最悪のシナリオだ。もちろん、宮崎県や鹿児島県、徳島県といった、他の大養鶏地帯で起こっても不思議ではない。ケージ養鶏やブロイラーの超過密飼いをしているところでは、きわめてリスクが高いからだ。
新型インフルエンザは、従来のインフルエンザの症状がより激しく現れ、そのことでのショックで死亡する可能性が考えられる。もがいたらもう最期ということになるかもしれないのだ。その恐ろしさたるや、新型コロナウイルスの比ではない。鶏虐待の復讐はこわい。この未曾有の脅威に備えて、直ちに何をすべきかを考えるべきだが、残されている猶予は少ない。
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