本来のフェアな国際スポーツ祭典のオリンピックの趣旨から逸脱し、東京2020は、日本国としての国威発揚やスポンサーへの忖度を主たる目的とする商業イベントとしての性格を露呈し、反対の機運が高まってきています。昨日のNHKの五輪に反対する市民の声をミュートした問題は、五輪反対の市民に対する事実上の言論差別行為であり、公共放送としてあるまじき行為です。ふなあん市民運動メディアもその旨の厳重抗議をNHKに対して行いました。また、米ニューヨーク・タイムズ紙は、日本国民や国際社会の反対の声を無視し、今夏開催が強行されようとしている東京2020に関して、「最悪のタイミング」であるとし、日本と世界にとって、「新型コロナウイルスの一大感染イベントになる」と強く非難する記事を伝えています。
海外アスリートの食事の懸念は無視される見通しか?
開催国の社会のサステナビリティを推進するように変革していく五輪のはずですが、どうやら東京2020の場合は、可能なかぎり、強い者には媚びへつらい、弱い者にはガン無視対応をする、東洋人の悪いところを凝縮したイベントの様相を呈しています。その例のひとつが、海外アスリートが選手村での食事で懸念していた「ケージ卵」問題です。これまでの五輪開催地では、国際的なアニマルウェルフェアに関する意識の高まりを受け、ケージフリーの鶏卵が、アスリートの食事に使用されるよう配慮がなされていましたが、日本では、とくに今季は史上最悪の鳥インフルエンザ禍に見舞われたにもかかわらず、採卵鶏のバタリーケージ飼養率が94%以上と変わらず、アスリートも弱いものとして扱われ、ガン無視対応されようとしています。
聖火リレーで男女差別
愛知県での聖火リレーの際、当地の伝統祭事の風習に則るかたちで、男性限定の聖火リレーが行われたことが、五輪のジェンダー平等の趣旨に反するとして、強く問題視されました。確かに日本の伝統的な風習やしきたりには、男女を分け隔てするものが多くありますが、伝統祭事やしきたりだからといって、男女差別が許されるというものではないというのが、今日の国際世論です。例えば、女性の参加が長きにわたり禁じられてきたことに、日本酒の杜氏がありますが、現在では、女性の杜氏も多く活躍しています。いまや、伝統的な風習やしきたりでさえも、国際世論には抗えない時代であることを意味しています。現在、日本酒は”Sake”として、欧米など海外でも人気が出ていますが、もし、杜氏の世界で、過去の女人禁制のしきたりが頑なに貫かれていたら、国際社会の”Sake”に対する評価は違っていたでしょう。オリンピック関連の行事で女人禁制がまかり通るような国で五輪が成功するかどうかは、火をみるより明らかです。
スポンサーの問題
東京2020の「ワールドワイドオリンピック パートナー」には、金余りのグローバル企業が名を連ねています。なかでも、とくに問題のある企業を紹介しましょう。
コカ・コーラは、マクドナルドやイスラエルと親密で、食生活の質を低下させ、ダウは化学合成農薬と遺伝子組み換え種子のグローバルリーダーの一つであり、インテルはイスラエル支援と半導体の独占で問題視される企業であり、P&Gは世界の水生生物を殺戮し、そのうえ、消費者を欺き、多くの化学物質過敏症患者を出し続けてきた企業です。
この他にも、ロスチャイルドやロックフェラーといった巨大財閥に近い企業も名を連ねています。今や、オリンピックは、これらの企業の肥やしにしたいというのが本音のようです。
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