とくにマーケティング会社やマルチ関連会社から発売されている健康グッズは、絶対に買わないでください!あなたにとって、詐欺や優良誤認による経済被害や、健康被害のおそれもあります。
怪しい健康グッズの例:「貼るウコン」
FM802のラジオCMでも流れている、通称「貼るウコン」。この商品の販売元を調べると、東京都渋谷区に本社を置くマーケティング会社であることがわかりました。マーケティングの手法を巧みに使い、「ウコンは飲酒後の健康対策によい」という潜在意識に訴えかける販売手法による商品と思われます。効能・効果の表記はもちろんのこと、どのようなシーンで使えばよいかという説明すらありません。「潜在意識訴求・自己責任系」商品の典型例です。
医師や薬剤師の間では常識と言われていることですが、ウコンが飲酒後の肝臓のケアによいとするような、十分なエビデンスは存在しません。それが、ある大手スパイス食品メーカーなどのマーケティング的な思惑に乗るかたちで、「ウコンは飲酒後の肝臓ケアによい」という刷り込みが日本社会に一気に浸透し、その結果、「ウコンといえば飲酒後の肝臓ケア」ということが、恐ろしくも俗世間の常識であるかのようにでっち上げられてきた経緯があるわけです。
さらに、経皮吸収系の眉唾。たしかに、筋肉痛に効果がある塗り薬や湿布薬があるなど、明らかに効果がある場合もあり、すべて否定するわけではありませんが、少なくとも、この「貼るウコン」では、全く意味がない「プラセボ」レベルです。ランディングページをよく見てみると、浸透するのは「角質層まで」とあります。この表記は、決してお客様思いの表記ではなく、製造・販売者が不当表示で罰せられるのを回避するための保身的意味合いしかありません。
会社(企業)情報の確認を
健康グッズのウェブサイトやランディングページから、まずは、会社(企業)情報を確認してください。そこに、事業内容が記載されているはずです。事業内容をみて、マーケティング関連が中心の会社が販売しているものは、即却下してください。粗悪品でも「効果あり」と盲信させて買わせるマーケティングの手法を使って、インチキ商品を掴まされて、猛烈に後悔すること必至だからです。
さらに、マルチ(MLM)関連会社の商品も、ドラッグストアに流通するほど、実は身近にあるのです。ネット通販ならなおさらです。販売者・製造者を調べ、さらに、それらの企業の取引関係やグループ関係、社長(役員)挨拶、企業の哲学、カバーする事業の詳細まで、しっかりと企業研究をしましょう。真面目な市民の方であれば、マルチ関連会社の商品に関心を持つこと自体があり得ないかもしれませんが、意外なものにカモフラージュして事業を展開していることもあったりしますので、ご自身でお調べになっても、どうしても判断がつかなければ、ふなあんに市民信用相談をしてみてください。
臨床試験をしているか
小林製薬のサプリメントでも、臨床試験データを取得できていなかったことなど、新規成分(原料)を使用したサプリメントとしては、あまりにも杜撰な対応が問題視されました。とくに、使用実績が少ないサプリメントについては、臨床試験データがあるかどうかも確認してください。その際、「臨床試験データあり」の文言にすぐに飛びつくのではなく、どのような試験条件で試験が行われたのかを、しっかりと確認をすることが欠かせません。臨床試験の詳細は、メーカーのウェブサイトに説明がある場合がありますので、まずはそれを確認してみてください。そのうえで、どうしてもわからない点がある場合は、メーカーのお客様相談室に問い合わせてみましょう。
医師や薬剤師、化学専門家の第三者的意見も要チェック
臨床試験データは、エビデンスとみられがちですが、実はそれだけでは不十分なこともあります。なぜなら、製造・販売者が営利企業である以上は、その企業の主観的な思惑が含まれていることもあり、捏造している可能性もゼロではないからです。よくいわれることとしては、医師や薬剤師の第三者的意見を確認することがとても大切です。それも、一人だけではなく、できれば複数人の、全く別の機関に所属する専門家の意見を確認すると確実です。主治医やかかりつけの薬局の薬剤師もその一人に含めてもよいでしょう。
さらに、それだけでは不十分な場合もあることを、ふなあんは注意喚起します。サプリメントなどの健康グッズは、ある特定の化学物質の働きに期待して使用する場合が多いからです。医師や薬剤師は必ずしも化学に精通しているわけではありません。そこで、医師や薬剤師に加えて、化学の専門家、それも、できることなら、バイオサイエンス系を網羅する化学の専門家(農学・工学・理学などの博士号保有者)の意見も確認していただくことを提案します。この記事の執筆者も農学の博士号保有者ですので、すぐにお答えできるかと思います。買う前に、医師・薬剤師の助言の確認とあわせてご相談いただきたいです。お問い合わせいただく際に、可能であれば、関連する学術文献(査読付き)を事前にお調べいただけましたら、より理解が深まるのではないかと思いますので、おすすめします。
怪しいと思ったら、消費者庁や消費者センター、保健所に情報提供を
万一、怪しいと思う健康グッズを目撃されましたら、放置せずに、直ちに消費者庁や国民生活センター、お住まいの地域の消費生活センターに情報提供してください。さらに、薬機法抵触の可能性がある事案の場合は、お住まいの地域の保健所にも情報提供してください。それは、あなたのためだけではなく、同じ疑問をお持ちの誰かのためにもなります。ぜひ、身近にできる市民運動として実行してみてください。いきなり情報提供はやりにくい、間違えていないか気になるという場合には、ふなあんにご相談いただけましたら、ふなあんで情報提供の代行を行うことも可能です。ワンクッションを置いた対応もふなあんでは歓迎します。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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