官公庁の私物化は必ずといってよいほど週刊誌にセンセーショナルに報道され、進退問題に発展します。当選時、大阪維新の会に所属していた冨田裕樹元大阪府池田市長が市長室やその管理役務を私物化し、百条委員会で辞職に追い込まれたことは記憶に新しいですが、その国政版といえる問題で、今、騒然としています。
政府は29日、岸田文雄首相の政務秘書官で、首相の長男にあたる岸田翔太郎氏(32)が6月1日付で同職を辞職すると発表しました。岸田翔太郎氏をめぐっては、昨年、公邸で親族の忘年会を開催するといった、公邸の私物化行為が週刊誌にセンセーショナルに報道されたことで、与野党内でその行為が問題視されており、これを受けての辞職とみられます。今回の辞職は、岸田政権のダメージを「致命傷」にしないための、事実上の更迭とみられています。
岸田政権支持率への影響は不可避か
NHKの調査による岸田政権の支持率は、G7広島サミットを控えた4月までの間は堅調に上昇し、4月には48%に達していました。野党だけではなく、与党内からも問題視される公邸私物化問題の衝撃の大きさもあり、今後の岸田政権支持率に及ぼす影響は不可避とみられます。実際に、日本経済新聞とテレビ東京の調査による岸田政権の支持率も、NHKと同様に4月までは堅調に上昇していましたが、5月には下落しており、早くもこの問題の影響が現れ始めています。
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