北海道は28日、北海道厚真町の肉用鶏養鶏場で、高病原性鳥インフルエンザの発生が確定したことを発表しました。家禽飼育場でのHPAI確定事例では、今季2例目となります。この養鶏場の飼養規模は約17万羽で、個体数では1例目の岡山県倉敷市と同等の規模です。北海道では、遺伝子検査でHPAIが確認された28日より、この養鶏場での肉用鶏の全数殺処分と埋却などの防疫作業を進めています。
鳥インフルの被害を減らすために何をすべきかの社会的議論を
自治体が「食べても安全」だという、食品安全エゴに偏重した論点そらしに躍起になるのは、稚拙で知性に欠いた態度であり、日本社会の悪しき特徴だといえます。日本では、家禽飼育場が大規模集約型となっており、有事の際には激甚災害化して、県職員や自衛隊が動員されることが多い一方で、EU圏では、家禽飼育場は小規模分散型で、1件あたりの飼養規模では、日本より2〜3桁程度も少ないため、有事の際でも、専門業者に依頼して完結するようなケースが多く、社会的影響は軽微で済むことが多くなっています。これは、EU圏で10年前にバタリーケージの使用が法律で禁止され、ケージフリー飼養が一般的になることで、必然的に小規模分散化が促されたためと考えられます。非EU圏のイスラエルなどでは、日本と同様に、いまだにバタリーケージを使用した工業的養鶏が行われ、有事の際には激甚災害化するのもまた、日本と同様になっています。あるかどうかもわからない風評被害を恐れるあまり、自治体がしきりに「食べても安全」を訴えても、HPAI禍の問題はいたちごっこで何ら生産性はなく、毎年のように繰り返されることは、火を見るより明らかです。
そこで重要なのは、社会全体で鳥インフルエンザの被害を減らす減災のために、私たちは何をすべきかを、各主体で考え行動するということです。EUでもHPAIは発生しますが、日本のような激甚災害にはならなくて済むことは、先述のとおりです。またEU圏では、SDGsで求められている温室効果ガス削減の目的も兼ねて、卵や鶏肉そのものを摂取しないベジタリアンやヴィーガンになる市民運動も進んでおり、畜産そのものを減らす動きも起こっています。このことを踏まえてFMGでは、下記のようなTRX運動を提唱し、「食べても安全かどうか」の稚拙でエゴイスティックな議論とは次元が異なる熟考を促します。FMGの記事からも、ログインしてコメント投稿をすることで、記者と直接対話するTRX運動にご参加いただけます。
T(Think;(何をすべき(できる)かを)熟考する)
R(Reduce;(畜産物の消費を)減らす(なくす))
X(Transformation;行動変容する)
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