人口規模では静岡県最大の政令指定都市で、スズキ(自動車・バイク等輸送機械)やヤマハ(楽器・ネットワーク機器・エンジン搭載機器等)などのものづくりで発展した浜松市にあるデパート、遠鉄百貨店には、宮本製作所唯一のマグちゃんアンテナショップがある。日本国内には、数多くの百貨店があるが、その中で、なぜ遠鉄百貨店だけにマグちゃんアンテナショップを置くことができたのか。多くの百貨店は、景品表示法違反を犯した企業というコンプライアンス上の懸念から、自社のデパートブランドに傷がつくことを嫌い、出店を拒否したと考えるのが自然だが、だからこそ、遠鉄百貨店の「神対応」には、何かミステリアスなものを感じずにはいられない。そこで、課徴金ショックで「マグちゃん危篤状態」が囁かれるなか、ふなあん市民運動メディアは、遠鉄百貨店に突撃取材を敢行した。
高校化学すら理解していないアンテナショップ店員
宮本製作所曰く「洗剤なしでも洗剤と同等の洗浄力が得られ、合成洗剤と併用すると、さらに高い洗浄力が得られる」という。では、石けんを使った場合はどうか、アンテナショップの店員に質問した。すると、さすがにウソがバレるとマズイと悟ったのか、
「石けんと同時使用すると、石けんかすができますので、おすすめできません。しかし、石けんで襟汚れなどを下洗いしたうえでの併用はできます。」
と答えた。マグネシウムイオンは石けんの脂肪酸イオンと直ちに石けんかすを生成するというのは正解だ。しかし、おかしくはないだろうか。石けんで襟を下洗いするというのは、何を意味するのか。これは、マグちゃんでは襟汚れのような脂汚れには太刀打ちできないが、石けんでは、襟汚れを落とす効果に優れているということを、店員自ら理解していることを意味している。ここで、マグちゃんを石けんと併用するということに関して、論理が破綻している。そもそも、マグネシウムイオンなどの金属イオンは、洗浄の歴史のなかで、いかに避けるかが重要にされてきており、ヨーロッパなどの硬水地域では、環境保全のために石けんを使いたくても、硬水のために石けんがつかいにくく、石けん運動がどうしても広まらない事情があるくらいだ。日本は水道水がそのまま飲めるくらい軟水に恵まれた数少ない地域であり、「日本で石けん運動をやらずして、どこでやる」というくらいである。そんな日本で、わざわざマグネシウムイオンを添加して、それで洗濯をしようなど、化学の無知の極みであり、洗浄界では滑稽極まりない話なのである。当然、アンテナショップ店員は、石けんなどの界面活性剤が汚れを落とす原理などの高校化学は理解していない状況であり、単に感情論的にマグちゃんの「よさを訴求」していたにすぎなかったのだ。
生い立ちの説明を聞いてとんでもない状況に
先程の記事で、著者が石けん技術者で食い扶持を奪われたという話題を出したが、実は、マグちゃんもその食い扶持を奪ってきたのだ。マグちゃんがよいと口コミで一気に広まると、石けん運動に取り組む層でさえも「石けんを使わない洗濯法」に関心を持つようになってきて、石けんも合成洗剤とほぼ同列に置かれるようになり、さらには石けんは化学がわからないと使うのが面倒という思い込みが持たれ、こうして生活必需品の石けんは、そっぽを向かれる存在になってしまったのだ。きつい言い方をすれば、マグちゃんに営業妨害をされたということである。このように、著者が実際にマグちゃんによって食い扶持を奪われ、一時は死の淵を彷徨った実話を話すと、前の高校化学すらわからない体たらくぶりとあわせて、自身がやっている商売が情けなくなってきたのか、激しく泣き出してしまったのだ。著者ならばどれだけ泣けばいいのかわからないほどの苦難の経験があるから、どうでもよいことではあるが、泣き出すということは、よほどの何かがあると考えられる。
遠鉄百貨店の信用維持のために提言
前に述べたように、宮本製作所は遠鉄百貨店以外の百貨店にもアンテナショップの出店を打診したとみられるものの、ニセ科学の指摘や、消費者庁による景品表示法違反の措置命令による信用急落を敬遠した結果、出店に至らなかったとみるのが経営判断上自然であるといえることから、ふなあん市民運動メディアは、遠鉄百貨店商品部に、MIYAMOTOショップテナントの撤退を促すよう、提言を行った。MIYAMOTOショップが遠鉄百貨店から撤退すると、MIYAMOTOのデパート内での展開は消滅することになる。
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