グリホサートがヒトの腸内細菌叢に悪影響を与えることで健康を害する懸念(US R.T.K.より)

除草剤グリホサートやそれを主成分とする除草剤製品ラウンドアップが少量の曝露で(ヒトの)腸内細菌叢の組成に影響を及ぼすことで健康を害するおそれがあることが、動物実験で判明しました。

A new animal study found that low levels of the weed killing chemical glyphosate and glyphosate-based Roundup can alter the composition of the gut microbiome in ways that may harm health.

この知見を得た研究者によると、グリホサートによる腸内細菌叢の撹乱作用は、植物に対する除草作用と同じ作用機構によるということです。ヒトの腸内細菌叢は、免疫機能など重要な生体機能に密接に関わる多種の細菌や真菌によって構成されているため、この腸内細菌叢撹乱作用は、さまざまな疾病の原因となり得ます。

The disruption was caused by the same mechanism of action by which glyphosate acts to kill weeds and other plants, the researchers said. The microbes in the human gut include a variety of bacteria and fungi that affect immune functions and other important processes, and disruptions can contribute to a range of diseases.

グリホサートの作用機構について

グリホサートの殺草機構は、植物の重要な生合成経路であるシキミ酸経路における、5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン 酸合成酵素(EPSPS)の阻害によるとされています。この酵素阻害作用によって、植物のタンパク(芳香族アミノ酸)合成が阻害され、その結果、植物としての生命活動が維持できずに枯死するものと考えられています。腸内細菌叢を構成する細菌や真菌のなかにも、5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン 酸合成酵素(EPSPS)を持つとされるものが存在し、そのような細菌や真菌がグリホサートの影響を受けるものと考えられます。

輸入小麦を使用する製パン大手のパンからグリホサート検出

海外では、小麦の収穫作業の効率を高めるためのグリホサート散布が常態化している実態があります。このグリホサートが、山崎製パンをはじめとする国内製パン大手のパンからも検出されています。(国産小麦を使用するパンからは検出されていません。)輸入小麦を使用したパンは、学校給食でも使用されており、例えば、事務局のある大阪府豊中市の小学校給食では、3回にうち1回がパン給食になっており、児童への影響が懸念されます。

【豊中市教育委員会 学校給食課からのコメント】
輸入小麦のグリホサート残留問題は把握しており、現在、大阪府学校給食会には、グリホサート汚染のない小麦を使うように要望は出している。市民への情報開示に関しては、昨年の豊中市議会で、日本共産党の議員から質問があり、それに答えたことがある。一地方自治体にすぎないので、厚生労働省や食品安全委員会など国が対応してもらえないと、動きづらい現状がある。

このコメントを受けて、銀鮒の里学校としても、大阪府学校給食会や大阪府教育委員会、厚生労働省などにも、政策提言をしたいと考えています。

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