思考停止禁止!怪しげな鶏卵「ネッカリッチ」の謎

どうみてもケージ卵としか思えない鶏卵。それでも、「ネッカリッチ卵」「ネッカリッチ使用」などという表記をみて、ただなんとなく「他よりも良さげだ」と思いこむ思考停止で、漫然と買った(あるいは、買いそうになった)…そんな経験はありませんか。

「ネッカリッチって、何?」あなたは答えられるでしょうか。

「ネッカリッチ」は動物用医薬品

ネッカリッチとは、宮崎みどり製薬(宮崎県宮崎市)が製造・販売を手掛ける動物用医薬品です。宮崎みどり製薬のウェブサイトの情報によると、ネッカリッチの成分は、広葉樹樹皮炭と木酢液で、これらを混合調製したものと説明されています。天然物を乾留して得られる半天然物といえるものですが、本来飼料として使われるものではありません。しかし、木炭や木酢液と聞くと、無条件で「良いものだ」と思い込む人も実際には多いとみられ、バタリーケージ飼育の養鶏事業者は、そのような人に対しては、バタリーケージ飼育という劣悪な印象を払拭でき、逆に優位性として訴えることができることを狙っているとも考えられます。

よく考えてください。あなたは「炭と木酢液を混ぜて食べると健康によい」と言われて、それをそのまま実行しますか。おそらく、「炭狂」か「木酢狂」といったようなよほどの変人でないかぎり、強い抵抗感があり、拒否反応を催すはずです。そのようなものを、鶏に食べさせることが、いかに異常なことか、気づくのではないでしょうか。炭は吸着材として非常に優れていますし、木酢液は植物の病虫害リスクを軽減したり、植物を程よく刺激して生育をよくしたりするメリットが知られていますが、だからといって、鶏に食べさせてもよいはずだというのは、何でもかんでもEM漬けの某信仰宗教を彷彿とさせ、まさに「新興宗教没入の境地」といえます。もっと素直に、原点に立ち返って考えてください。そうするかぎり、ケージ卵業界の免罪符のごとくはびこり、消費者を思考停止に陥れる「ネッカリッチ信仰」がいかに馬鹿げたものであるか、すぐにわかるはずです。

10月30日に大規模な鳥インフルエンザが発生した島根県大田市のバタリーケージ採卵養鶏場も、「ネッカリッチ卵」で高付加価値化を狙っている養鶏場のひとつであることもわかっています。

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