「それどころではない」と波紋
国内史上最悪とも評される水道水のPFAS汚染問題に揺れる岡山県吉備中央町。そんな吉備中央町で、NHK(岡山放送局)と吉備中央町が、16日にNHKのど自慢を開催することが波紋を呼んでいます。「PFAS水道水」問題で日本中にその汚名を拡げることになった吉備中央町は、それを返上すべく、町民の健康と環境汚染の再発防止を最優先にして、PFAS問題の解決に全力を注ぐべきであって、NHKのど自慢でシティプロモーションをしている場合ではないという批判は不可避の情勢です。
12時20分頃に放送された、吉備中央町の紹介(NHKのど自慢恒例のシティプロモーション)では、町のシンボルにもなっている野鳥のブッポウソウ、特産品のブルーベリーとブルーベリーを活用した「ブルーベリーパフェ」や「ブルーベリーたい焼き」の紹介を行っていましたが、PFAS問題についての言及は一切ありませんでした。
12日の「クロ現」でPFAS問題を取り上げた矢先という皮肉
奇しくもNHKでは、12日のクローズアップ現代で、PFASによる環境汚染問題を取り上げたばかりでした。4日後には、そのこともケロッと忘れたかのように、PFAS問題の「震源地」でのど自慢を開催するNHKの無神経さもまた、批判の的となって然るべきです。
岡山県倉敷市出身のFMGの記者、オカヤマンヘンな鮒は、「岡山県には、他にもNHKのど自慢の開催を心待ちにしている、候補となりうる多くの自治体があるはず。(参考:昨年の岡山県での開催地は津山市)そういった岡山県内の他の自治体に開催の権利を譲るべきだった。岡山県の名誉のことを考えても、吉備中央町での開催はあまりにもタイミングが悪すぎる」と遺憾の意を表します。
FMGでは、週明けにも、主催者のNHK岡山放送局と吉備中央町に、このNHKのど自慢 吉備中央町開催問題について質問を行う予定にしています。
※PFAS=PolyFluoroAlkylSubstances(多フッ化アルキル化合物;炭素原子との共有結合状態にある複数の水素原子がフッ素原子に置換したアルキル基をもつ化合物の総称。マスコミなどでは、狭義のPFASであるPFOS+PFOAを指しているとみられるが、PFASの原義に照らせば、フッ素を構成元素として含む一部の殺虫剤など、かなり多くの化合物が該当する。(広義のPFAS)
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