兵庫県にありながらタバコトラブル続出の川西市
川西市都市政策部に配属された20代女性職員が、川西市が用意した研修派遣先の東京での住居に強いタバコ臭を訴え、研修業務に支障をきたしていた問題に関して、川西市は、4月30日付で、この20代女性職員に対して戒告の懲戒処分を、この職員の上司にあたる総務部の50代男性の部長級職員を文書による訓告処分にしたことを発表しました。懲戒処分を受けた20代女性職員は、現在は都市政策部の所定の研修を取りやめ、総務部に転属になったということです。
この問題をめぐっては、読売新聞や朝日新聞、地元紙の神戸新聞などがこぞって報道していましたが、いずれも、20代女性職員に全面的に非があるととられかねない報道となっていました。このことを「市における立場が弱い新入職員に対する、社会による袋叩きいじめではないか」と不審に思ったFMGの記者は、1日、川西市総務部職員課に直撃取材を敢行、FMGの理詰め取材に対して、川西市総務部職員課は、市の職員管理責任に重大な落ち度があり、懲戒処分を発出した川西市側に職権濫用(パワーハラスメント)体質があったことを認めざるを得ませんでした。
川西市はこの1年以内にも、阪急電鉄・能勢電鉄川西能勢口駅前にJTの喫煙所をゲリラ設置する問題を起こしたばかりで、FMGでも記事として報じていました。川西市が属する兵庫県は、神奈川県に次いで、県独自の受動喫煙防止条例を制定した受動喫煙対策先進県として注目されていることで有名ですが、これらのようなタバコトラブルが続出する川西市は、兵庫県の取り組みに背くような実態があるといえます。
この問題の経緯の一部に関しては、川西市が発表の文書でも説明がなされていますが、これだけでは、市側と女性職員側のどちらにどの程度の問題が所在するのかの判断ができないため、FMGは、市公開の文書では判断がつかないことについて、市総務部職員課(以下、職員課)に質問しました。
●川西市による懲戒処分に関する文書(2024年4月30日付)
https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/007/060430chokai.pdf
問題の研修職員用物件の契約について
FMGは、20代女性職員がタバコ臭を訴えた最初の物件の契約に関して、職員課に質問しました。職員課は、女性職員が問題を訴えた後、他の市の職員が東京の現地に確認に行ったとしたうえで、「(女性職員が居住を命じられた物件は、)喫煙者にとっても明らかにタバコ臭が気になるレベルだった」と答えました。なぜ、このような事態が発生したのか、FMGはさらに遡り、追及しました。すると、職員課は、このように回答したのです。
「新人研修用住居は、これまでも同じ業者と契約し、その業者を信用しきっていた。問題の物件は、女性職員のために新たに借りた物件だが、女性職員が入居する前に、他の職員による事前確認は怠っていました。」
これは「いじめ事案だ」:FMG報道ではじめて明かされた真実
要するに、川西市は、市として当然果たすべき、職員が安心して東京研修が受けられるために必要な、基本的な居住権に関する配慮を著しく怠っていたにもかかわらず、市の組織において立場の弱い女性職員をあたかもモンスタークレーマーであるかのように仕立て上げたうえで、究極の仕打ちともいえる懲戒処分を職権で発出したことを認めざるを得なかったというわけです。さらにいえば、女性職員が研修で入居する前に、入居予定の女性職員立ち会いのもと、市の(職員課などの)別の職員が現地を確認していれば、決して起こり得なかったことだといえ、この場合については、川西市の職務怠慢の責任は重大だということがいえます。そのためFMGは、川西市に対して、川西市の職務怠慢や懲戒処分を発出したバワーハラスメントを真摯に認めたうえで、この20代女性職員に対する謝罪と、4月30日付の懲戒処分等の取り消しを行うよう求めました。これに対して川西市総務部職員課は、「ご意見として承ります。」と答えました。
これからもFMGは、草の根市民メディアとして、大きな権力の陰に潜んだ隠れいじめを暴き出し、それらを絶対に許さないというスタンスで、立場の弱い人も、誰一人としてあきらめない、あきらめさせない報道に努めてまいります。
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