※おてんばっ子3人、こども市民運動!のおはなしはフィクションです。
いいうんち、でましたか?
これは、いなかまちの小学校3年生の超おてんばっ子が、木の香りが気持ちいい公園のコンボストトイレでがんばったうんちです。いなかまちなので、マクドナルドもありません。小3の超おてんばっ子は、親や学校の先生、友達の影響で、身体に悪いジャンクフードは大っきらい!近くの畑でとれた野菜などの「まごわやさしい」をおなかいっぱい食べて、手足を巧みにつかって、てつぼうやこままわしをしたり、友達とはだすりすりしてあそぶのが大好きな女の子です。
小3の超おてんばっ子がうんちをしたあと。上級生の小学校4年生の超おてんばっ子が、同じコンポストトイレでうんちをしていました。その小4の超おてんばっ子も、好きな食べ物も、好きなあそびも、好きなことはなんでも小3の超おてんばっ子にそっくりです。すこし肌寒い日だったので、気づいてみれば二人は、ねっちょりしてほっかほかの手のひらをあわせてお手々すりすりしていました。それも、うんちをふきふきしたお手々で。二人とも、とてもよい香りのものすごく太くて長いうんちで、小4のおてんばっ子のうんちのほうが少し大きいです。二人は自慢しあっていました。二人とも、「給食のカレー、おかわりしたよ!」って自慢していました。
二人でうんち自慢しているうちに、今度は、小5の超おてんばっ子が、同じコンポストトイレでうんちをしていました。その小5の超おてんばっ子も、好きな食べ物も、好きなあそびも、好きなことはなんでも二人の超おてんばっ子にそっくりです。すこし肌寒い日だったので、気づいてみれば三人は、ねっちょりしてほっかほかの手をつないで、ぎゅーっと握りあっていました。さすがは最上級生のおねえさん!小5のおてんばっ子のうんちは、小3の超おてんばっ子の2倍くらいの大きさで、ものすごく太くてがっちりしたうんちです。小5のおてんばっ子は二人に自慢していました。小5の超おてんばっ子は、二人にこういいました。「まごわやさしいをもりもり食べて、おもいっきり身体を動かしてあそぶと、いいうんちが出るよ!」。二人も同じようだったので、納得していました。そのとき、小5の超おてんばっ子は、二人に提案しました。
「3人でうんち委員会をつくろうよ!」
「いいなあ!うんち委員会!みんな、うんち大好きだし!」これには二人も大賛成でした。
超おてんばっ子たちの小学校では、ある問題が起きていました。それは、男子が学校でうんちができない問題と、生理がはじまった高学年の女子が便秘になるという問題です。「女の子がうんちだなんて、いいのかな?」小3の超おてんばっ子は少しとまどいましたが、小4と小5のおてんばっ子は「もちろんだよ!今はジェンダー平等があたりまえだと、学校で習ったじゃない!おてんばの力で、男の子にももりもりすっきりうんちを楽しんでもらう、それが、うんち委員会の役目だよ!」と、小3の超おてんばっ子に話しました。「女子はみんな、かぎをカチャッと閉めて、うんちし放題だもんね。男子のうんちのにおいもかいだことあるけど、いなかの子のうんちって、女子も男子もみんないい香りなのにね。男子ももりもりすっきりしたらいいのにね。金太郎のような、わんぱくな男子も誘おう!」と、小3おてんばっ子も自信がわきました。小3の超おてんばっ子は、小4になってから、児童会が始まるので、小4からの児童会はうんち委員会に入ることに決めました。
「みんなで、まごわやさしい給食をおなかいっぱい食べて、超極太うんちをもりもり出して、自慢しあって、にこにこしよう!」
「みんなでうんちをして、元気になる!これって、こどもうんち市民運動だね!」
こうして、3人のこどもうんち市民運動は始まったのでした。
トイレ問題というと、うんち・排泄を「きたないもの」「くさいもの」「はずかしいもの」「公衆衛生上の厄介もの」というネガティブな前提のもとで改善運動が行われることが多いものです。日本でも、かつて下水道が普及していなかった頃には、「みんなのうんち・排泄物をどのように効率的に片付けるか」というように考えられ、厄介ものを片付ける手段として、下水道と水洗トイレの普及が進められてきた経緯があります。
しかし、バイオテクノロジーの知見が充実している今、「みんなのうんちはみんなの宝物」だという価値観に、劇的な大転換が起ころうとしています。こどもたちの間で大流行した「うんこドリル」や、大人の間でも、「腸活」や「便活」、トイレやうんちをモチーフとしたお菓子が受けるなどの社会現象からも、うんちに対する見方が肯定的に変わろうとしていることがわかります。肥料資源問題が現実味を帯びている今、下水道由来の肥料の実用化も始まっており、人のうんちを衛生的に発酵・乾燥させた、かつての肥溜めとは全くイメージが違う新世代の「醗酵人糞堆肥」が有機肥料として実用化されるようになる日も、そう遠くはないかもしれません。健康な他人のうんち(腸内細菌叢)を自分の腸に移植することで、安全性の高い腸管感染症の治療や体質改善に活かす、他人のうんちの医療利用も世界中で実用化の動きが拡がってきつつあります。肥満傾向の小学生の腸に、やせ体質の小学生のうんちを移植することで、生涯にわたり、肥満体質を改善したり、生活習慣病リスクを軽減したりといった予防的医療も実用化されるようになるかもしれません。
うんちをネガティブに捉える時代は、市民的バイオテクノロジーの進歩によって、もう終わりを迎えています。これからは、自分のうんちも他人のうんちもよろこび、トイレを元気を分かち合う場所にする、そんな時代になるのだと、小学生のおてんばっ子三人は、社会にも訴えているのでしょう。そんなこどもたちの元気を、私たちはしっかり受けとめ、育ててあげたいものです。
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