マクドナルド反対は国際的民意:世界のマクドナルド反対運動 メディアレビュー

「マクドナルドに行くのがあたりまえ」は世界の非常識、もはや狂気です!

「マクドナルドの何が悪いのですか」という、銀鮒の里批判ともとられかねない場違いな問い合わせを受けることがあります。もちろん、それらは日本人によるものですが、このことは、現代の日本人がいかにマクドナルドの商業主義に毒され、市民社会のリテラシーを失ってきたかという、現代日本人の腐りきった島国根性の現れです。それでもわからない人のために、あえて他のメディアの情報ばかりを集め、マクドナルド反対がいかに国際的に、客観的に常識として認識されているのか、あえてくどいくらいに.丁寧に説明させていただきます。

※繰り返し言いますが、マクドナルド反対に関する元情報はすべて、FMG以外のメディアによる情報です。それに対して、理解を促すためのFMGの解釈を付記していますので、ご確認ください。

※マスコミなどで、世界のマクドナルドが当たり前の風景のように露出することがありますが、このような映像表現は懐疑的にみるべきです。世界第2位の日本のマクドナルド店舗数の異常な多さと、市民的反対運動で抑制されている海外各国のマクドナルド店舗数との間のあまりにも大きいギャップが、その懐疑の定量的根拠になります。

イタリア

出典1:一般社団法人 日本スローフード協会

1986年、ローマのスペイン階段にオープンするマクドナルドへの反対運動をきっかけに、スローフード運動の運動体が設立されました。その3年後の1989年、パリで開催された会議で、スローフードマニフェストが調印され、世界的な運動へと発展しました。「スローフード運動=食育運動」と捉えられがちですが、本来のスローフード運動は、食育運動から発展して、食が関わる環境問題や社会問題(人権(搾取労働・貧困など)・飢餓・在来食文化の保全・在来農産物品種の保護保全など)、動物福祉などの生命倫理的課題にも踏み込んで向き合う、SDGsの全体を網羅する運動なのです。(動画参照)

出典2:Amica Makoイタリアンスタイル(Mako Kobayashiさんのブログ)

Mako Kobayashiさんは、元静岡朝日放送アナウンサーで、現在はイタリアのフィレンツェ市在住で、地元FM局のパーソナリティとして活躍されています。このブログでは、イタリアで全国民的な大顰蹙を買ったイタリアマクドナルドのCMが紹介されています。(FMGでも、視聴可能なときに確認したことがありますが、残念ながら、現在は、そのCM動画は制限がかかっていて見ることができなくなっています。)伝統的なイタリアンレストランで、両親が何を注文するか悩んでいるときに、こどもが「(マクドナルドの)ハッピーミールがいい!」と店員の前で叫んで、店員が困惑し、結局は家族全員でマクドナルドに行って安上がりでめでたしめでたし、というCMで、イタリアの食文化を侮辱しているとして、大問題となりました。当然、YouTubeで視聴可能だった時、そのCM動画の評価は、低評価が圧倒的多数であったことはいうまでもありません。

とくに注目していただきたいのは、イタリア人の国民的なアンチ・マクドナルド思想を、イタリア在住の日本人として絶賛する一方で、日本人が、よくも悪くもアメリカの方ばかりに注目してなびいてしまう歪曲した国民性に疑義を唱えている点です。イタリア在住経験を通じて、イタリア人の行動様式や価値観に触れ、日本を俯瞰したうえでの論調は客観性があり、とても説得力があります。「日本人とイタリア人とは、考え方がよく似ていて、日本にもイタリアにも素晴らしい食文化があるのに、食文化にすらなっていないようなアメリカ発祥のマクドナルドの店舗が日本に異常に多いのは、やはりおかしいのではないか」と疑問を投げかけている点は、日本人としては、グサリと刺さるものがあるのではないでしょうか。

ファーストフードそのものを批判するわけではないというのは、実はFMGも銀鮒の里学校も同じ考え方です。(例えば、日本のうどんやそば、おにぎり、一部の寿司や丼ものも、店頭ですぐに提供できる商品にしやすいファーストフードといえますが、それらは健全なものだということからもわかります。)Mako Kobayashiさんのブログにもあるように、マクドナルド問題の本質は、不健康な商品を押し付けていることはもちろんのこととして、無批判な姿勢で、ただ長いものに巻かれ、自国文化の誇りを忘れて文化侵略されっぱなしになることにあります。マクドナルドは商業主義の極致ともいわれるように、ブレーキがかからなければ、ところかまわず際限なくアクセルをふかし続けるグローバル企業です。その最大の「実験場」になったのが、我が国日本というわけです。そのことが、自国文化の誇り高く、マクドナルドの文化侵略に対してはデモで反対の意思をはっきりと表明することが常識となっているイタリアからは、やはりマクドナルドに対して無批判の日本の異常が際立って見えるというわけです。

インド(出典:独立行政法人 農畜産業振興機構)

https://lin.alic.go.jp/alic/month/fore/1996/nov/top-sp03.htm

インドは国民の大部分がヒンドゥー教徒の国です。ヒンドゥー教では、牛が神聖な動物として尊ばれているため、牛肉を食べること自体が、ヒンドゥー教上の罪悪とされています。その影響もあり、(ダイエタリー)ヴィーガンやグルテンフリー食など、食の意識が高い国としても知られています。マクドナルドがインドに進出する際、マクドナルドは、パティなどに牛肉を使う代わりに、羊(マトン)など、ヒンドゥー教徒に配慮しようとしましたが、とくに保守的で敬虔なヒンドゥー教徒は、「それでも母体のマクドナルドは牛肉を使用したメニューを主力商品にしている」として猛反発、インドへの進出は難航をきわめたといいます。インドのマクドナルド反対の場合は、とくに、保守層の宗教団体による力が大きく、宗教が生活に深く根付いているインドの事情がよく反映されたマクドナルド反対運動となっています。インドでは、「海外企業の進出は、食品以外の工業分野に限定すべきだ」との論調が根強くあり、インドにおける非食品工業分野以外の海外企業の進出は、文化侵略と捉えられました。この点については、イタリアともよく似ています。マクドナルド以外の海外企業の進出に対しての強い嫌悪感は、マクドナルドの強引な文化侵略的手法が象徴的に映ったことで増幅させたのかもしれません。

韓国

出典1:ソウル聯合ニュース

マクドナルドの不買運動推進 韓国野党・労組  | 聯合ニュース

出典2:朝鮮日報

期限切れの食材使用はアルバイトのせい…韓国でマクドナルド不買運動の兆し

これらの出典にあるマクドナルド反対運動は、革新系野党とマクドナルドのアルバイト労働者によって結成される労働組合が中心になって行われており、韓国マクドナルド本社側の関与があったにもかかわらず、アルバイトの弱い立場に漬け込んだ、不正行為(消費期限改竄)の責任転嫁が行われ、厳格すぎる懲罰があったことに対する、韓国マクドナルドの搾取的行為やずるさに対する反対を呼びかけるデモに関するものです。日本でも似た状況があり、マクドナルドらしい問題といえますが、日本と違うのは、理不尽なことには、はっきりと声をあげているということです。

このほかにも、韓国マクドナルドのプルコギバーガーを食べた小学生が、韓国マクドナルドの杜撰な食品衛生管理に起因するとされるHUS(溶血性尿毒症症候群;通称:ハンバーガー病)の食中毒症状を発症したにもかかわらず、韓国マクドナルドが長きにわたり不誠実な対応をしたことから、怒りの輪が拡大したということもありました。(出典2の朝鮮日報の記事にも言及あり)これをめぐっては、韓国の裁判所が、国(韓国消費者院;日本の消費者庁に相当)側の請求を支持し、韓国マクドナルド側に、衛生状態の開示を行うよう命令を下した経緯があります。日本の消費者庁とは異なり、国が被害者のこどもに代わって、被害者の立場になって訴えを起こすのは、日本にはない、韓国の大きな違いです。(参考:ハンギョレ

アメリカ

出典1:Corporate Accountability(英語)

アメリカの企業行動監視NPOであるCorporate Accountabilityは、2010年、マクドナルドが提供する商品がこどもの健康を害するものであり、マクドナルドのキャラクターであるロナルド・マクドナルドが、マクドナルドの不健康な商品に誘導し、こどもの健康を害しているとして、ロナルド・マクドナルドを引退させる市民運動を起こしました。企業のキャラクターを引きずり降ろす市民運動は、アメリカンユーモアが効いていますが、その実効性は本物です。日本にも、日本のマクドナルドのテレビCMからドナルド・マクドナルド(日本における呼称)やその伴侶となるキャラクターが一斉に消えましたが、その時期も、ロナルド・マクドナルド引退運動のすぐ後であることから、その影響ではないかとみられています。

出典2:責任ある医療のための内科医師委員会(PCRM)(啓発動画)

マクドナルドによる死(制作:PCRM)

内科医師によって構成される市民医師運動体の責任ある医療のための内科医師委員会(PCRM)は、これまたアメリカン・ブラックユーモアが刺激的な啓発動画を公開し、注目を集めました。マクドナルドが原因の生活習慣病が死因となって死亡した夫が検死台に伏し、妻が悲しみにくれています。死亡した夫の右手には、食べかけのマクドバーガーがあり、両足がマクドナルドのゴールデンアーチを描いていることから、「マクドナルドは棺桶(火葬場)に急ぐ食事」であることを、内科医師の立場で皮肉たっぷりに警告しています。そして、「高コレステロールのマクドナルドは高血圧の原因になります。今夜から(マクドナルドをやめて)ベジタリアンになりましょう」と呼びかけ、締めています。マクドナルド中毒の日本人に何度も繰り返し見せてやりたい、ピリリと辛い医療系啓発動画です。はたして日本の医師はそこまで市民的な啓発をしているでしょうか。

いかがでしょうか。以上のように、世界各国では、自国文化保全、労働者の人権、企業のコンプライアンス、食品安全(食品衛生)、こどもの食育、予防医学など、さまざまな角度からマクドナルド批判が行われていることがわかります。日本のマクドナルドに対する無批判が、世界ではいかに非常識か、いかに恥ずべきことかが、おわかりいただけたのではないでしょうか。

マクドナルドに反対する前提こそ、世界標準のシチズンシップ教育の必須要件

シチズンシップ教育とは、市民社会における自由のための教育のことです。マクドナルドをはじめとする文化侵略的勢力は、市民社会における自由とは相容れないものであり、市民社会における自由の対立概念です。そのようなものやことに反対する前提は、世界標準のシチズンシップ教育で最低限必要となる要件です。つまり、マクドナルドのような、市民社会の自由を奪うものや事に対して、曖昧な対応をするような教育機関は、世界標準のシチズンシップ教育が明らかにできていないことになります。あなたの身近にある教育機関に、マクドナルドなどに対するスタンスを確認してみてください。それがすべてではありませんが、真贋を見極めるうえでの重要な第一歩となります。

マクドナルドは、食の人権侵害であり、食文化の侵略です。

マクドナルドは、世界中の市民から、食の自由と健康を奪った主因のひとつです。

何人も、マクドナルドを嫌う権利があります。

マクドナルドを嫌うことで、拡がる食の世界があります。

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