岡山県は、13日、11月に倉敷市で連続して3例発生した高病原性鳥インフルエンザの対策経費に関し、13億6,600万円を計上する2022年度一般会計補正予算案を発表しました。このうち、殺処分後の鶏の焼却・埋却や消毒にかかった防疫対策経費は、11億7,000万円と、大部分を占めています。移動制限や搬出制限の対象となった養鶏場への損失補填870万円も含まれているといいます。
【参考】山陽新聞の記事
https://www.sanyonews.jp/article/1340908
岡山県では、2年前の2020年にも、兵庫県赤穂市に本社を置くバタリーケージ養鶏会社が運営する美作市のケージ育すう施設で、未成熟のひな(女の子)を含む採卵鶏約64万羽が高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜となり、殺処分・焼却されたという大惨事が起きていますが、この約2年間、伊原木県政は、この美作悲劇を教訓にすることなく、バタリーケージ養鶏そのものの規制や、養鶏業から植物生産へのアグリシフト(農業業種転換支援)などといった根本的な予防施策を怠ってきました。岡山県出身のFMG記者が、岡山県に対して、根本的な予防策に関する政策提言を行ってきたことは、いうまでもありません。それでもです。2年という期間は、長い期間です。この間に、このような予防施策を講じていれば、税金から集めたこれだけの費用をドブに棄てなくて済んだかもしれないと考えると、伊原木県政の無策への怒り以外の何も残らないのではないでしょうか。
カネの問題で片付けられがちな鳥インフルエンザの問題ですが、それだけではありません。殺処分作業や焼却・埋却作業で駆り出された県職員などの作業従事者のこころのケアを行う重責も、岡山県には重くのしかかります。岡山県民のみならず、日本全国の鳥インフルエンザなどの養鶏問題を憂うすべての人に対する説明責任もあります。これら一連の矛盾を、伊原木県政は、今後、どのように説明するつもりなのでしょうか。目が離せない状況は、今後も続きます。
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